【ジャパニーズウイスキーの定義誕生20.04.01~】今までいい加減だったものが明確に!

ウイスキー

2020年2月16日、「ジャパニーズウイスキーの定義」が、日本洋酒酒造組合から発表されました。

え?今まで定義はなかったのかって?そうなんです。ジャパニーズウイスキーについては明確な定義はありませんでした。

本日は、新たに策定されたジャパニーズウイスキーの定義について書いていきます。

 この記事でわかること。

・今までのジャパニーズウイスキーの定義はいい加減だった
・新ジャパニーズウイスキーの定義

今までのジャパニーズウイスキーの定義はいい加減だった

近年、ジャパニーズウイスキーが世界中で高い評価を受けるようになりました。

誇らしい反面、日本人の僕たちに手に渡りにくくなってしまいました。

日本で本格的なウイスキーが作られてから100年と言われています。

ニッカやサントリーの日本を代表するウイスキーが各種コンテストで最優秀賞を獲得し、後を追うようにいくつものベンチャーウイスキーの蒸留所が誕生しました。

そんな日本産のウイスキーはこれまで、海外から輸入したウイスキーを混ぜても、国産として表記できました。つまり、海外で製造された輸入ウイスキーの原酒を国内で瓶詰めした製品が「ジャパニーズウイスキー」を掲げて国内外で流通していたのです。

また食品であれば、もっとも多く使っている原料をわかるように書かなければならないのですが、ウイスキーであればその比率も明記せずに隠すこともできました。

さらに、酒税法では海外のウイスキーどころか、醸造用アルコールやウォッカを混ぜてもよかったのです。例えば、ある日本の酒造メーカーが出している安価な価格帯のウイスキーには、原材料にモルト、グレーンそしてスピリッツと明記されています。

某ウイスキーには”モルト、グレーン10%以上、スピリッツ90%未満”と表示されています。もはやウイスキーというより茶色く色づけられた焼酎の仲間といった方が近いです。
ちなみにスコッチウイスキーの定義とは

スコットランドにおいて製造されたウイスキーであって、(a)スコットランドの蒸留所にて、水および発芽させた大麦(これに他の穀物の全粒のみ加えることができる。)から蒸留されたものであって、

(i)当該蒸留所にて処理されマッシュとされ、
(ii)当該蒸留所にて内生酵素のみによって発酵可能な基質に転換され、かつ、
(iii)当該蒸留所にて酵母の添加のみにより発酵されたものであり、

(b)蒸留液がその製造において用いられた原料およびその製造の方法に由来する香りおよび味を有するよう、94.8パーセント未満の分量のアルコール強度に蒸留されており、(c)700リットル以下の容量のオーク樽においてのみ熟成されており、(d)スコットランドにおいてのみ熟成されており、(e)3年以上の期間において熟成されており、(f)物品税倉庫または許可された場所においてのみ熟成されており、(g)その製造および熟成において用いられた原料ならびにその製造および熟成の方法に由来する色、香りおよび味を保持しており、(h)一切の物質が添加されておらず、または

(i)水
(ii)無味カラメル着色料、もしくは
(iii)水および無味カラメル着色料
を除く一切の物質が添加されておらず、かつ、

(i)最低でも40%の分量のアルコール強度を有するもの

引用:スコッチ・ウイスキー – Wikipedia

スコッチウイスキーの定義は、何項目にも厳しく細分化されています。
特に驚くべき項目は、”スコットランドにおいてのみ熟成されており、3年以上の期間において熟成されており”の部分。

スーパーマーケットや、コンビニで売られている千円台のウイスキーも最低3年以上は熟成されているとは驚きです。

新ジャパニーズウイスキーの定義

日本洋酒酒造組合(東京・中央、神田秀樹理事長)は国産ウイスキー「ジャパニーズウイスキー」の定義を初めて決めました。

ジャパニーズウイスキーを名乗るための主な要件は

①原材料は麦芽を必ず使用し、日本国内で採取された水を使用すること、
②国内の蒸留所で蒸留すること
③原酒を700リットル以下の木樽に詰め、日本国内で3年以上貯蔵すること
④日本国内で瓶詰めすること

大きくこの4項目です。スコッチウイスキーの定義を参考にしているのがわかりますね。

”この定義に基づくと、ウイスキー大手のジャパニーズウイスキーは、サントリーホールディングスは「響」「山崎」「白州」「知多」「ローヤル」「スペシャルリザーブ」「オールド」、海外市場向けの専用商品「季(TOKI)」の8ブランドが対象になる。アサヒグループホールディングス傘下のニッカウヰスキーは「竹鶴」「余市」「宮城峡」「カフェグレーン」4ブランド、キリンホールディングスは「富士」1ブランドと、蒸留所限定などがそれぞれ対象となる。”

引用:「ジャパニーズウイスキー」の定義 業界団体が作成: 日本経済新聞 (nikkei.com)

こう見るとなかなか厳しく定義づけられたことがわかります。

まとめ

・今までは「ジャパニーズウイスキー」の定義が日本の酒税法になく、輸入したウイスキー原酒で製造された商品も「ジャパニーズウイスキー」として流通している状況でした。

・今回の定義導入で、海外原酒をジャパニーズウイスキーと名乗ることにはかなりの抑止力になるのではないかと思います。

・今まで野放しだったものが急に厳しくなることはメーカーにとって大変と思いますが、今後さらなるジャパニーズウイスキーのクオリティが上がることを期待します。

あすぼー

素材メーカーに勤める社畜リーマン5年目。
3年前に神奈川⇒大阪へ転勤。
主にウイスキーや近畿圏の立ち飲み屋について綴っていきます。

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